2017年6月19日、沖縄。

梅雨明け間近の沖縄は雨で、じっとりした暑さが体を纏う。

 

突然もらえた三連休、私はすぐに沖縄行きのチケットをとった。

沖縄で出会った人たちに100夢取材をお願いし、泊まりたい宿だけとった。

 

今回は、2泊3日の旅行の中で、2人に取材を引き受けてもらいました。

 

 

1年ぶりの大すきな沖縄。

香るもの、見るもの、肌触り全てが沖縄の空気を纏っていて嬉しくなる。

奥武山公園のお花屋さんで、店員さんとひとしきり話を楽しんだ頃、

とーもーさんが車で迎えに来てくれました。

沖縄での100夢取材1人目は、前仲 智子さん。

 

大学時代、沖縄の伝統芸能エイサーを通じて出会った先輩だ。

あだ名はとーもーさん。

沖縄県出身で、生まれた時からずっと沖縄に暮らしている。

 

美人でスタイルがよくて、華やかで、でも飾り気がなくて、楽しい人。

私はとーもーさんに憧れていた。

 

 

「かえでー久しぶりー!元気ねー?」

 

沖縄の人たちは名前の間や最後を伸ばして呼ぶようで、とーもーさんも私のことを、かえでーって呼んでくれる。

 

私はこのゆったりとした呼ばれ方がすきだ。

沖縄に触れている気がして、ホッとする。

久しぶりの再会の後は、お昼ご飯。

とーもーさんおすすめの沖縄そば屋さんに行くことになった。

 

食堂の扉をあけて、挨拶をして座敷にあがる。

とーもーさんが座布団を敷いてくれて、注文したそばを待つ。

雨の音、テレビの声、静かでのんびりした時間。

おばちゃんが卓に沖縄そばを置く。

湯気とともに、ふわりと出汁の香りが届く。

 

うん、美味しい。優しい味。

つゆの香りも至福でしかない。

コーレーグースを垂らして、また一口。

ふぅ〜と息をつく。

きどらず温かいそばを食べながら、食後の計画を考える。

 

 

雨ですねぇ。

 

雨、どうしたら濡れずに写真を撮れるかな、と考えていると、

とーもーさんから一言。

 

「せっかくの雨だし、海いく?濡れても良いさ。なんかさー、せっかく楓に撮ってもらうなら、海がいいなーと思って」

 

とーもーさんの優しい言葉に嬉しくなる。

 

沖縄そばを食べ終え、私たちは車で海へ向かった。

これまで実は、とーもーさんと二人でゆっくり話したことはなかった。

SNSを通して互いの近況は知っていたけど、それくらい。

 

車の中で、彼女のこれまでの話を聞いた。

 

 

とーもーさんは生まれも育ちも沖縄。

「高校生の時はエステの学校に行きたくて。でもその時たしか沖縄にはなくて。

内地行きたーいっていったら、父親に反対されてから。まず大学行って、卒業して、それでもやりたかったら自分で行きなさいっていわれてさ」

 

お父さんの言葉通り、高校卒業後は沖縄県にある大学に入学。

選んだのは産業情報学部。大学では、様々な国の留学生と出会った。

 

もともと人と関わること、人によろこんでもらうことが好きだったというとーもーさん。沖縄を紹介しているうちに、異なる言語や文化を持つ彼らの世界に惹かれていったそう。

縁あって韓国や台湾に語学留学を重ね、言葉や文化を学んだそうです。

 

そんなとーもーさんは現在、フリーランスとして3つの仕事を生業としている。

 

一つは、沖縄に来る外国人への観光ガイド。

現在は主に韓国語を使いながら、沖縄の案内をしている。

もう一つは、セラピスト。

他にもタイ古式マッサージの講師としても、月に数回イベントで施術しているそうだ。

 

もともと好きだったことと、大学に入って好きになったことが掛けあって、今のとーもーさんの仕事スタイルができあがった。

 

フリーランスとしての働き方は性に合っているという。

 

 

「遊びにきてくれた人たちが、沖縄のこと好きになってくれたらうれしいさー。

そのためにも、沖縄のことをちゃんと学ばないとね。

 

今は大学に行けてよかったって、心の底から思っている。父には感謝しかない。

大学に行けたおかげで、違う世界を知れたから」

とーもーさんの運転する車は、軽やかに先へと進む。

南国の木、アメリカンなお店、沖縄の景色が窓の向こうを流れていく。

 

「せっかくだから、こっち通ろうか」

 

とーもーさんのはからいで、車は観光名所・国際通りを抜けていく。

 

国際通りの成り立ちや、沖縄のことについて、移動中もずっととーもーさんがガイドのように教えてくれた。

 

自分の故郷のことを、私はこんなに語れるだろうか。

 

とーもーさんは、沖縄のことがすきですか?

 

「うん、すき。

 

ガイドは、自分にとっては学ぶ時間さー。

案内しながら、言語のことも、沖縄のことも学ばせてもらっているから、おもしろい。

 

ガイドの仕事のおかげで、常に新しいことを学べている」

 

誰かに伝えるために、故郷のことを知っていく。

知るたびに、沖縄のことをさらに好きになっていくという。

とーもーさんは、何故こんなにも前向きに学び続けられるのだろう。

 

「うーん、新しいことを知るのが好きなのかもね。

 

人生一回しかないさ。

そう考えると、興味のあることはやらなきゃもったいない、って常に思っているかも」

とーもーさんは、自分にできることが今、少しずつ増えていると教えてくれた。

 

韓国語、中国語、エステの施術。

タヒチアンダンスは習い始めて6年目。

「台湾留学をきっかけに、台湾の先生が沖縄にきたり、自分たちの先生が台湾に教えに行ったりしていてさ。そういう風に繋がっていくのが嬉しくて」

 

「これまでも今も、やりたいことに挑戦させてもらって、正直、もういいかなと思うときもあるよ。

 

でも、全部たくさんの人に協力してもらったから還元したいし、学ぶたびに学びに終わりはないなーって感じる」

 

 

とーもーさんが過去にエステサロンで働いていた時、出会うお客様に本当に恵まれていたと話してくれた。

 

施術だけじゃなくお話を楽しみに来てくださるお客様もいたそうで、それもとーもーさんの楽しみの一つでもあったそう。お客様の中には、留学中の台湾まで会いに来てくれた方や、辞めた今でも連絡をくれる方もいるそうです。

 

 

とーもーさんは、このドライブ中よく「大丈夫、大丈夫」といっていた。

 

雨でも大丈夫、のんびりで大丈夫。

 

その言葉を聞くたびに私はせっかちになっている自分に気づいて、ホッと息がつけた気がした。私もそう感じたように、多くの人がとーもーさんに癒されたくて、会いたくなってしまうんじゃないだろうか。だから彼女の周りにはいつも、人が集まっているのかもしれない。

 

 

とーもーさんとのドライブは楽しかった。

海に到着するも変わらず雨。

 

アメリカンビレッジを通り、美浜の海で写真を撮った。

笑っちゃうほどの大雨で、二人で濡れた服を絞って笑った。

 

雨がこんなに心に残ったのはきっと、とーもーさんだから。

とっても楽しい時間だった。

 

 

彼女に贈った花は、ピンク色のスモークツリー。

その天真爛漫さから、愛され、いつも沢山の笑顔に囲まれているとーもーさん。

 

贈る花言葉は、“にぎやかな家庭”です。

地元沖縄で、癒して繋ぐ。

 

 

自分のできることを確実に増やし、その力で生きていく彼女を、カッコイイなと思った。

 

 

「今度は家に泊まったらいいさー」と、とーもーさん。

 

星のきれいな南部地方に住んでいるそうで、次の旅行が早くも楽しみだ。

 

ピースフルなとーもーさん。

また会えることを、楽しみにしています。

 

 

雨の沖縄の思い出が、ひとつふえた日でした。

とーもーさん、ありがとう!

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